2020/05/23

The Rose 歌詞と和訳とちょっとした解説

今回は、TBS系の金曜ドラマ『アルジャーノンに花束を』の主題歌、"The Rose"の歌詞を訳してみたいと思います。

時代を超えて親しまれている名曲ですが、元は1979年に公開された同名の映画"The Rose"のテーマソングとして公開され、ゴールデングローブ賞やグラミー賞も受賞しています。




Some say love, it is a river
That drowns the tender reed
Some say love, it is a razor
That leaves your soul to bleed
Some say love, it is a hunger
An endless aching need
I say love, it is a flower
And you, its only seed


誰かが言う 愛は川だと
それはかよわい葦を沈めてしまうような
誰かが言う 愛は刃だと
それは魂を切り裂いてしまうような
誰かが言う 愛は飢えだと
それは終わりのないうずくような欲求
私は言う 愛とは花だと
そしてあなたは そのたったひとつの種

It's the heart, afraid of breaking
That never learns to dance
It's the dream, afraid of waking
That never takes the chance
It's the one who won't be taken
Who cannot seem to give
And the soul, afraid of dying
That never learns to live


それは心、傷つくことを恐れて
いつまでも踊り出せない
それは夢、目覚めるのを恐れて
チャンスを掴めないそれは誰か 取らせまいとして
与えることを知ることが出来ない人
そしてそれは魂、死を恐れて
生きることを学べない

When the night has been too lonely
And the road has been too long
And you think that love is only
For the lucky and the strong
Just remember in the winter
Far beneath the bitter snows
Lies the seed that with the sun's love
In the spring becomes the rose

夜がとても孤独で
道がとても長くて
愛は幸運や強さだけにあると考えるなら
ただ思い出して
冬には厳しい雪のはるか深くに
横たわる種も やがて太陽の光を浴びて
春にはバラを咲かせることを


メロディもさることながら、歌詞もとても美しい楽曲ですね。ソングライターは、Amanda McBroom という女性の歌手で、曲のアイディアについてのコメントも残されています。

『この曲はラジオから生まれたの。Leo Sayerという人の"Magdalena"が流れてて、すぐに気に入ったわ。特に好きなのが"You're love is like a razor. My heart is just a scar"というフレーズで、すごくいい歌詞だって感じたわ。でも"love is a razor"の情緒には同意出来なかったけれど。』

曲が出来て1年が経たないうちに、Amanda に友人のソングライターから、Janis Joplin の人生をベースに描いた映画"The Rose"のプロデューサーが、主題歌を探しているという連絡が入ります。

戸惑いつつも了承したAmanda でしたが、最初にプロデューサーに聴かせた時は、映画には合わないとして却下され、お蔵入りになりかけてしまいます。

しかしながら、映画の楽曲担当が楽曲を推し続け、主演のBette Midler に聴かせ、彼女もまたこの曲を気に入り、最終的には映画のタイトルトラックとして使用されることとなりました。


楽曲は国境を越え、時代を超えて愛されており、日本では1991年に公開されたジブリ映画『おもひでぽろぽろ』の主題歌として、都はるみさんによるカヴァー『愛は花、君はその種子』が使われた他、2006年にはイギリスの人気グループWestlife によってカヴァーされ、UKのシングルチャートで1位を獲得しています。

近年の日本においても、MISIA、JUJU、鬼束ちひろ、手嶌葵など様々なアーティストによって歌い継がれており、40年以上経った今も愛され続けています。





7 件のコメント:

  1. やっぱり素敵な歌ですね。
    歌詞もこんなに深いんですね。

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  2. ずっと深く、私の奥底に染み込んだ。
    暖かさに飢えていた私を満たしてくれた。
    愛で出来たバラは何よりも美しい。

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  3. コメントありがとうございます。

    心に深く沁みいる名曲ですよね。優しい旋律で包み込んでくれる感覚にすらなるような。

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  4. FBにリンク引用致します。
    御容赦願います。

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  5. 確かに愛についての曲としても良いのですが、私にとっては、ある一人の女性について、歌ってるという印象が強いですね。

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  6. ドラマを見ていないけど「アルジャーノン〜」の主題歌だったんだ。知らなかった。ヒューゴー賞をとった短編は半世紀前に読んだ。一人の人間に対しての愛が生まれて、思慕と尊敬、愛情、憐憫。そして悲しく去って行く話。二度ともとに戻ることはない。数ヶ月間の愛も長い年月をともにすることとも同じことなんだと教えられた。人為的に人格が形作られ、花が散るようにはかなくもとに戻って行く。人生も同じだ。ザ ローズは主題歌として合っていると思う。79年に公園通りで見た時の同時上映はロイ・シャイダーのオールザットジャズだった。

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