1950年代のアメリカ音楽は、ロックンロールの誕生など、多様なジャンルが交差しつつも新たなジャンルが生まれ、その後の音楽史に大きな影響を与えた非常に重要な時代でした。
以下、この時代の主要なジャンルとその特徴を紹介していきたいと思います。
■ロックンロール
ロックンロールは1950年代に誕生し、大衆音楽の主流となっていきました。ロックンロールは、ブルース、ジャズ、ゴスペル、カントリーなどの要素が融合し、新たな音楽スタイルとして確立されていきました。エルビス・プレスリー、チャック・ベリー、リトル・リチャード、ジェリー・リー・ルイス、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツなどが当時の主要なアーティストです。
■リズム・アンド・ブルース (R&B)
1950年代には、アフリカ系アメリカ人の音楽シーンでリズム・アンド・ブルースが大変人気でした。R&Bは、ゴスペルやブルースの要素を取り入れており、レイ・チャールズ、ファッツ・ドミノ、ジェームス・ブラウン、ルース・ブラウンなどが有名なアーティストです。
■ポップス
1950年代のポップスは、ビッグバンドやスウィングの名残りが感じられる楽曲が多く、フランク・シナトラ、ディーン・マーティン、ナット・キング・コール、ペギー・リーなどが当時の主要なポップスアーティストでした。また、ティーン向けのアイドルも登場し、パット・ブーンやポール・アンカなどが人気を博しました。
■カントリー・ウエスタン
カントリー・ウエスタンは、アメリカ南部および西部の音楽スタイルで、1950年代には大変人気がありました。ジョニー・キャッシュ、ハンク・ウィリアムズ、パッツィ・クライン、エディ・アーノルドなどが当時の主要なカントリー・ウエスタンのアーティストです。
■ドゥーワップ
ドゥーワップは、アカペラで歌われるリズム・アンド・ブルースのスタイルで、1950年代に非常に人気がありました。独特のハーモニーと歌詞が特徴で、フランクリン・リムス、プラターズ、コースターズ、デル・ヴィキングスなどが著名なドゥーワップグループです。
■ジャズ
1950年代は、ジャズのビバップやクール・ジャズが発展し、実験的で独創的な音楽が数多く生まれました。マイルス・デイビス、チャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピー、デイブ・ブルーベック、チェット・ベイカーなどが、当時のジャズシーンで活躍していた著名なミュージシャンです。また、ウエスト・コースト・ジャズというスタイルも登場し、ジェリー・マリガン、スタン・ゲッツなどが関与しました。
■フォーク
1950年代後半から1960年代にかけて、フォーク音楽が復興し、ピート・シーガーやウディ・ガスリーの影響を受けた新たなフォークアーティストが登場しました。キングストン・トリオ、ピーター・ポール&マリー、ジョーン・バエズなどがその例です。フォーク音楽は、その後の1960年代にプロテストソングやボブ・ディランの登場を促しました。
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